米企業、次世代原発の燃料生産へ

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共同通信
米オハイオ州にある高純度低濃縮ウランの製造施設(セントラスエナジー提供・共同)

 【ワシントン共同】米核燃料関連企業セントラスエナジーは10月から、次世代型原発の燃料となる高純度低濃縮ウラン(HALEU)生産の実証プロジェクトを中西部オハイオ州の施設で始める。現在、商業生産できるのはロシアのみで、米政府は国内の生産体制確立を急ぐ。

 米政府は運転時に二酸化炭素(CO2)を出さない電源として原子力を後押ししている。大型軽水炉の建設はコスト増などにより区切りを迎え、低コストと安全性をうたう次世代型に関心が移る。開発企業の中ではX―エナジーやテラパワーがHALEUを使う原発を設計するが、ウクライナ侵攻で「ロシアからの調達は、もう現実的でない」との声が上がっていた。

 HALEUは、核分裂しやすいウラン235を従来の燃料より高い5~20%の割合で含み、炉の小型化が可能になる。エネルギー省は運転開始が見込まれる30年には40トン以上の燃料が必要だと推計。一部は国で製造しつつ、セントラスエナジーと契約して量産体制を整備させようとしている。