米、ウクライナ予算削除

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共同通信
9月21日、米ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領(左)と対面したバイデン大統領=ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】米政府機関の閉鎖を回避するためバイデン大統領が署名し9月30日に成立したつなぎ予算には、野党共和党の一部の反対でウクライナ支援予算が盛り込まれなかった。影響を懸念する与党民主党の議員からは「ロシアのプーチン大統領にとっては勝利だ」との声が出た。

 国防総省や国務省は上下両院の指導部に対し、ウクライナ支援の必要性を訴え続けてきた。バイデン政権は、決定済みの武器や弾薬の輸送を進める構えだが、今後の支援に向けた予算措置の見通しは立たないままだ。

 共和党のローラー下院議員は、つなぎ予算にウクライナへの援助が入っていないからといって政府閉鎖を許してはならないと強調。下院歳出委員会のデローロ筆頭委員(民主党)は「ウクライナを見捨てようとしている」と非難した。

 米国はロシアが侵攻を始めた昨年2月以降、ウクライナに軍事支援だけで439億ドル(約6兆5千億円)以上を拠出。政権は2024会計年度(23年10月~24年9月)の最初の3カ月を対象に、ウクライナの軍事援助131億ドルを含む追加予算を要請している。