コロナワクチン開発にノーベル賞

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共同通信
2022年4月、報道各社のインタビューに応じるカタリン・カリコ氏(左)とドリュー・ワイスマン氏=東京都千代田区

 【ストックホルム共同】スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2023年のノーベル生理学・医学賞を「メッセンジャーRNA(mRNA)」と呼ばれる遺伝物質を使った新型コロナウイルスワクチン開発に道を開いた米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)ら2氏に授与すると発表した。

 カリコ氏らは、人工的に作ったmRNAを、炎症反応を起こさずに体内に入れられる技術を考案。この技術を基に20年、ドイツのバイオ企業ビオンテックは新型コロナワクチンを米製薬大手ファイザーと共同開発した。米モデルナ社も、同様の仕組みを利用して新型コロナのワクチンを迅速に開発。有効性が確認され、発症や重症化を防ぐ手段として各国に普及した。

 ワクチン開発には時間がかかり、通常なら10年は必要とされる。カリコ氏らによる基礎的な技術開発の蓄積が、新型コロナ流行からわずか約1年という短期間での実用化に大きく貢献した。

 授賞式は12月10日にスウェーデンで開かれる。賞金1100万クローナ(約1億5千万円)が2氏に贈られる。