スリランカ債務軽減合意へ

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共同通信

 経済危機に陥ったスリランカに資金を貸している日本やインド、フランスなどが、返済期限を延長するなどの債務負担軽減策で10月にも大筋合意する方向で調整していることが2日、複数の関係者への取材で分かった。最大の貸し手である中国抜きの枠組みとし、スリランカが中国と2国間で債務に関する交渉をしないことを条件とする。

 スリランカは、テロや新型コロナウイルス禍で主力産業の観光が打撃を受けて財政が悪化し、対外債務の支払いを停止した。2国間の公的な対外債務は2023年3月末時点で113億ドル(約1兆7千億円)あり、42%を中国が占め、日本が24%、インドが15%、フランスが4%で続く。

 日本、インド、フランスの3カ国が主導して23年4月から債務負担軽減の交渉が始まり、返済期限を延長したり、貸付金利を当面引き下げたりする軽減策の案がまとまった。枠組みには3カ国のほかに韓国、オランダなど約20カ国が参加し、10月9日からモロッコで開かれる世界銀行と国際通貨基金(IMF)の年次総会に合わせて大筋合意したい考えだ。