子連れで行商に携わる移民たち
警官も露天商も思わず同情
ニューヨーク市内には2022年春以降、12万人の移民が流入。就労許可を得るまで、多くは子供を連れ、路上や地下鉄駅で行商に携わる。ニューヨーク・タイムズが4日、その実態を伝えた。
地下鉄42丁目駅で水やソーダを売るナタリ・ツアロンボさん(23)はエクアドルからの移民。足元には4歳の息子がしゃがみ込む。別のプラットフォームで果物を商っていたが、他の移民に縄張りを荒らしているとして、子供を誘拐するなどと脅かされたという。夜10時まで働いて1日60ドル稼ぐのが目標。「その日暮らし。子供にも辛い思いをさせている」とスペイン語で嘆く。
ベネズエラから7月18日に到着したホルヘ・ピエラさん(36)はクイーンズ区コロナの路上でロリーポップを売る。42歳の妻も一緒。近くでは2歳の娘と3歳の息子が遊ぶ。「助けてもらえないか」とスペイン語で声をかけ、うまくいけば2時間で15ドルほどの売り上げになる。子どもたちはシェルターの食事が口に合わず、スープやコーンフレークを買う。「こんなことをしに、ジャングルを抜けてきた訳ではないのに」とぼやく。
こうした行商は違法。しかし、警官は子連れであることが分かると、見て見ぬふりをするという。「許可を得ている我々に不公平だ」とする露天商も「彼らの窮状を考えると同情を禁じえない」と思いは複雑だ。
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