老朽化進み、アップグレードの必要性
老朽化進み、アップグレードの必要性
100年以上の歴史を誇るニューヨーク市の大量輸送システムは老朽化が進み、アップグレードの必要性に迫られている。「100年に一度」の規模だった先日の記録的大雨で、地下鉄とバスは運休が相次ぎ、市内の交通網は完全にまひ状態に陥った。この壊滅的な被害は、急速な温暖化が進む地球上で、人為的な気候変動がもたらす影響が拡大していることを浮き彫りにした。
ニューヨーク・タイムズ(4日付)が伝えたところによれば、ニューヨーク州都市交通局(MTA)は今後の事業目標として、約6千台のバスを電化するとともに、インフラ施設により多くの省エネ技術を導入することを掲げている。MTAがこのほど明らかにした報告書では、ハドソン川の増水による氾濫の危険性があるメトロノース鉄道ハドソン線など、洪水に脆弱な550カ所を特定した。
報告書に基づき、MTAは将来計画として、鉄道車両約5500両、バス約6千台、エレベーター493基の全交換を予定。MTAのジャノ・リーバーCEOは、今回の報告書について「MTAの既存インフラの更新と改善、さらには気候変動への緊急的な備えが必要だということを明らかにするものだ」と指摘する。MTAは、これらの資金源として、来春にも始まるマンハッタン区の60丁目以南に乗り入れる車両への通行料課金に充てる意向だ。
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