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共同通信
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【ワシントン共同】米議会が超党派で設置した戦略態勢委員会(委員長・クリードン元国防次官補)は12日、米国は核保有国のロシアと中国との同時戦争に備える必要があるとする報告書を発表した。核戦力の現代化と通常戦力の増強を進め、アジア太平洋地域に核兵器を配備すべきだと提言した。
バイデン政権は昨年発表した核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」で核兵器の現代化に投資する一方で、軍拡競争は避けると強調していた。報告書は中ロ2カ国に対抗する「包括的な戦略がない」と批判しており、政権の戦略に影響を与える可能性がある。
報告書は「中国による核戦力の急速な拡大とロシアが核兵器への依存を高めていることが、米国の安全保障に前例のない脅威をもたらしている」とし、2027~35年に中ロの危険性が一層高まり、紛争が生じれば核戦争に発展する恐れもあると警告した。
米国の核戦力は「十分ではない可能性がある」とも指摘。アジア太平洋地域での米国と同盟国の通常戦力の優位性も低下しているとし、核兵器配備の検討が必要とした。