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共同通信
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全国銀行データ通信システム(全銀システム)の障害で、運営元の全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は18日、緊急時の代替機能が働かなかったと明らかにした。辻松雄理事長は東京都内で記者会見し「決済システム全体の信頼性を揺るがす大きな問題と認識している」と述べた。顧客に生じた手数料や延滞金などの損害は各金融機関が補償する。
システム障害は10~11日に発生した。代替機能が働かなかった理由として、東京と大阪の拠点で同時にシステム更新を実施したことを挙げた。全銀ネットは「片方ずつやれば今回の事態は防げた可能性がある」(担当者)として、作業手順に問題がなかったかどうか検証する方針を示した。
三菱UFJ銀行など全国10の金融機関で他行宛ての振り込みが遅れ、影響を受けた取引は500万件超に上った。
補償対象は、別の銀行を使って余分にかかった手数料や口座振替ができなかったことに伴う延滞金のほか、振り込みを取り消すのに必要になった手数料なども含まれる。三菱UFJ銀は相談を受ける窓口を設置した。