市内の住戸、今年完成は1万1000戸
ディベロッパー向け優遇税制廃止で昨年の半分
建設業界団体「ニューヨーク・ビルディング・コングレス」は18日、今年完成するアパートなどの住戸は1万1000戸と、昨年の半分になるとの調査結果を発表した。
「850万人が住む大都会で、新規完成予定はこれだけ。恥ずかしい限りだ」と嘆くのは同団体のカルロ・シスーラ会長だ。主因としてディベロッパーに対するニューヨーク州の優遇税制が昨年6月廃止されたことを挙げる。この政策は1970年代に低所得者向け住宅建設促進を目的として導入された。レンタル用アパートビルの固定資産税が最長35年間、減額される。住戸総数の25〜35%を低所得者向けにすることが条件だ。これにより、市は18億ドルの税収を逸している。
ホークル知事やアダムズ市長は市内の住宅危機解消を目指し、向こう10年で住戸50万戸を建設すると発表した。毎年5万戸を10年間という計算だが、現実が追いつかない。公共部門による建設は毎年せいぜい6000戸に過ぎない。調査研究機関「ファーマン・センター」のマシュー・マーフィー所長は「来年には同様の優遇税制を成立させる必要がある」と指摘する。「さもなくば、民間企業によるレンタル用アパートのストックは枯渇する」と予想している。ホークル、アダムズ両氏もここに来て、何らかの優遇税制の必要性を認識し出しているようだ。(18日、ザ・シティー)
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