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共同通信
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総務省の電波監理審議会は23日、「プラチナバンド」と呼ばれる屋内でも携帯電話がつながりやすい周波数帯を、新たに楽天モバイルに割り当てると決めた。悲願だった「つながる電波」獲得で課題だった通信品質を改善し、ドコモなど競合の大手3社に対抗する。携帯電話向けプラチナバンドの大手への新規配分は2012年のソフトバンクモバイル以来約11年ぶり。
プラチナバンドは現在ドコモとKDDI、ソフトバンクの大手3社グループが使っている。20年に参入した後発の楽天は持っていなかった。
楽天は携帯電波が「つながりにくい」との指摘が顧客獲得の障壁となっていた。自前のプラチナバンドの利用で、つながりにくいというイメージをぬぐえれば、各社の顧客争奪戦は激化しそうだ。利用者にとっても携帯事業者の選択肢が増える。
楽天は早ければ年内にもプラチナバンドの提供を開始し、通信品質の改善を目指す。楽天の契約数は8月下旬に500万件の大台に乗せたが、事業黒字化の下限とする800万件は遠い。プラチナバンドの利用が顧客獲得の起爆剤となるかどうかが焦点となる。