ニューヨークの不妊治療クリニックGFGの
アメリカ妊活便り
第10回 卵子を知ること
妊娠を司る卵子と精子。皆さんは一体、自分がいくつの卵子を持ち、それらがいつまで妊娠・出産に結びつくのかご存知だろうか。
急激に減りゆく卵子
女性の卵子は胎児期に一生分作られ、妊娠20週のころは約700万個となるが、それをピークに減少。誕生時にはすでにその65%を失い、生理が始まる思春期には約35万個に。この数を聞いて、そんなに多くあるなら安心、と思われた方もいるだろう。しかし月に一度やってくる生理で、1つの卵子を排出するために約900個の卵子が使われ、毎月急ピッチで減少。妊孕力の分岐点と言われる35歳前後には2〜3万個、そして卵子の減少は加速し、50歳過ぎでの閉経時にはほぼゼロとなる。
実年齢に比例する卵子年齢
妊娠を左右するのは卵子の数だけではない。一生分の卵子が胎児期に作られるということは、実年齢20歳時点での卵子は20歳の若さの卵子、40歳時点では卵子年齢40歳―これが卵子の老化と言われる所以である。
実年齢が若いと卵子の数と質も十分にあり、正常な受精や受精卵の成長、スムーズな妊娠、さらには健康な胎児の出産へと結びつく。一方、加齢が進むと卵子数は減少し、質も低下。当然、健康な卵子の割合は低くなり、正常な受精胚や妊娠が困難に。また、質低下に伴い染⾊体異常を持った卵子の確率も増加。流産の50〜70%は染色体異常によるもので、たとえ体外受精などを経ても着床しなかったり、流産という結果を招くことも少なくない。
卵子の数を知る
実年齢に伴う卵子の質低下は大多数が否めないが、卵子の数に関しては個人差も大きい。
卵子の残存数は、ウルトラサウンドやAMHの値から割り出すことができる。AMHとは、卵子から出る”抗ミューラーホルモン”値のことで、卵巣に残る卵子の数の目安と言われている。 AMH値が高ければ卵子の残数は多く、今後の排卵期間、妊活や不妊治療に取り組む時間もある程度残されていると考えられるが、妊娠につながる卵子は質も伴ってのこと。適齢期での妊娠、早めの対策に越したことはない。若いうちに良質な卵子を採取し凍結保存する「卵子凍結」も将来の妊娠・出産への大きな備えとなるだろう。
ただ、AMH値が高過ぎるとPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を発症している可能性もあり、排卵しづらい体質になっている可能性も考えられるので注意も必要だ。
これから妊娠・出産を望むのであれば、卵子の質は実年齢に直結すること、そしてできるだけ早く自分のAMH値を知り、未来の妊娠・出産に向けた計画を立てるとよいだろう。

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