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共同通信
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大分県内の複数の公立中で行われた生徒会選挙で、授業などで使う「教育支援アプリ」を利用して投票や集計をした結果、どの生徒がどの候補に投票したかが教員側に筒抜けになっていたことが24日、学校関係者への取材で分かった。生徒に説明しないまま投票先が一方的に可視化される仕組みになっており、生徒間の関係性を教員が把握するツールとなる可能性もある。識者は「生徒会という主権者教育の場で監視されているとの疑念を生じさせる手法は採用すべきではない」と影響を懸念した。
この教育支援アプリは、横浜市のIT企業が2014年ごろに販売開始。
関係者によると、今年8月、大分市で開かれた教員限定の会合で情報通信技術(ICT)の活用事例として報告され、約20校のうち複数校が同様形式で選挙を行っていると明かした。大分市のある公立中では、22年からタブレット端末を利用し、投票結果を教員側が把握できる形で選挙を実施していた。
日本大の岩崎正洋教授(政治学)は「学校の現場で民主主義に対する感覚が薄まっているのでは」と懸念した。