米下院議長選、三度振り出し

Published by
共同通信
米下院議長候補から撤退し、集会会場を後にするエマー院内幹事=24日、ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】混迷が続く米下院議長選は24日、下院共和党ナンバー3、エマー院内幹事(62)が議長候補に指名された直後に撤退した。複数の米メディアが報じた。トランプ前大統領が、自身への忠誠心が薄い党内勢力を意味する「RINO(名ばかりの共和党員)」だとエマー氏を批判していた。撤退した候補は3人目で、議長選は振り出しに戻った。

 共和党が僅差で多数の下院は、マッカーシー氏が3日に米史上初めて議長を解任されて以降、3週間にわたり機能不全に陥っている。党内不和は深刻で、議長選出の展望は見えないままだ。

 影響力を持ちキャスチングボートを握る保守強硬派が、エマー氏が過去に同性婚の権利を擁護する法律を支持したことなどを問題視しており、エマー氏は議長選出に必要な過半数の票を得られるめどが立たなかった。トランプ氏がエマー氏への投票は「悲劇的な過ちだ」と訴えたことも影響したとみられる。