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共同通信
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【ソウル共同】韓国最高裁は26日、旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱った著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損罪に問われた朴裕河・世宗大名誉教授の上告審判決で、罰金1千万ウォン(約110万円)とした二審判決を破棄し、審理をソウル高裁に差し戻した。「学問的主張や意見の表明と評価するのが妥当」と判断し、「無罪の趣旨」で差し戻すとした。
学問的な表現において同罪が成立するかどうかが争点だった。韓国内で、日韓間の歴史問題に関する自由な学術的議論が萎縮することへの懸念は払拭されそうだ。
朴氏は著書で、慰安婦問題を帝国主義下での女性の人権問題と指摘した一方、自発的に慰安婦になった女性もいたと記し、当時の慰安婦と日本軍は「同志的関係」にもあったなどと表現。元慰安婦らは名誉毀損に当たるとして2014年に刑事告訴し、検察が在宅起訴した。
17年の二審ソウル高裁判決は、虚偽の記述があったと認定。無罪とした一審判決を破棄し、罰金刑を言い渡した。