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共同通信
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日本、フィリピン両政府は、自衛隊とフィリピン軍部隊の相互往来をスムーズにする「円滑化協定(RAA)」の締結に向け、近く交渉入りする方向で調整に入った。岸田文雄首相が11月初旬にフィリピンを訪問した際、マルコス大統領と合意する見通し。両国外交筋が25日、明らかにした。米国を含む3カ国の共同訓練を大幅拡充し、安全保障協力を深化させる。東・南シナ海で軍事活動を活発化させる中国を念頭に抑止力向上を図る。
日本はこれまでオーストラリア、英国とRAAを締結しており、正式交渉入りは3カ国目。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との間では初となる。フィリピンのテオドロ国防相は25日、首相の訪問を巡り「一定の合意に署名できると楽観している」と期待感を示した。
フィリピンでは通常、他国部隊が活動するには煩雑な手続きが必要。日比間では災害救助や人道支援の際、自衛隊派遣の手続きを簡略化する覚書を交わしている。RAA締結で、訓練などでも迅速な派遣が可能になる。