名誉回復へ、最後の闘い

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共同通信
袴田巌さんの再審初公判に出廷するため、静岡地裁に向かう姉ひで子さん(前列左から2人目)と弁護団ら=27日午前

 願い続けた救済への道を一歩踏み出した。静岡県清水市(現静岡市)の一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の27日の再審初公判。支え続けた姉は「真実を望む」と訴え、集まった人からは「無罪になって早く安心してほしい」と声が上がった。発生から57年、巌さんの名誉回復へ最後の闘いが始まった。

 長期収容などで拘禁症状が残る巌さんに代わり、姉ひで子さん(90)が補佐人として法廷に。15人ほどの弁護団に囲まれて座ったひで子さんは目の前に分厚いファイルを置き、資料をめくりながら起訴状朗読に耳を傾けた。罪状認否では「巌にどうぞ真の自由をお与えください」と力強く主張した。