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共同通信
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【ソウル共同】韓国ソウルの繁華街、梨泰院で159人が犠牲となった雑踏事故から29日で1年。現場周辺の店にハロウィーンの装飾は見られず、週末の人通りも少ない。対照的に雑踏対応の強化で配置された警察官の姿が目立ち、物々しい雰囲気に。「若者が戻ってこない」。惨事の記憶が色濃く残った街の店主らは嘆く。
28日夕、飲食店が並ぶ現場近くの通りには通行規制用のフェンスが並べられていた。警察官らが「こちらに来てください」と誘導するが、人の数はまばらだ。例年であれば最もにぎわい、仮装した若者が行き交うハロウィーンの時期。「休業します」と張り紙をした店もあり、客であふれかえったかつての面影はなかった。
事故に居合わせ心肺蘇生を手伝ったという英国人留学生(22)は「遺体が次々と路上に並べられていく光景が頭から離れない」と明かす。
現場には市民らが次々と追悼に訪れ「安らかにお眠りください」などのメッセージを付箋に書いて残していった。遺族らは28日、遺影を掲げた焼香所で、犠牲者の好きだった食べ物を供えて慰霊した。