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共同通信
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【北京共同】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出で中国政府が日本産水産物の禁輸を続けていることを受け、北海道など日本産のホタテを加工してきた中国の水産業者が、加工拠点をタイなど東南アジアへ移転することを検討していることが29日分かった。水産業の事情に詳しい通商筋が明らかにした。早ければ年内にも東南アジアでの加工が始まる可能性があるという。
政府の禁輸措置で中国企業も影響を受け、対応を迫られた。日本から中国に輸出できなくなったホタテを東南アジアに輸出することで、日本の漁業関係者が受ける打撃の緩和が期待されそうだ。
日本の農林水産省によると、2022年の中国向けの農林水産物・食品の輸出額を品目別でみると、ホタテが467億円と最も多かった。
関係者によると、中国では河北省や山東省などの水産業者が日本からホタテを輸入し、加工して主に米国に輸出してきた。
タイは水産加工業者が多く、限られた投資で加工拠点を移転できる可能性があり、移転先として有力視されている。ベトナムなども候補地になっているという。