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共同通信
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【ワシントン共同】米バイデン政権は1日、AIを悪用した不正対策に乗り出すと発表した。AI生成の音声で高齢者を狙う「おれおれ詐欺」などの防止が狙い。スマートフォンにかかってくる通話や送られてくるメッセージの中から危険なものを検知し、遮断するAIで対抗する。企業の技術者チームが参加し、短期集中で開発を目指すイベントを主催する。
英国でのAI安全サミットに合わせ発表した。米政権はAI技術を巡るリスクから消費者を保護することを重視しており、詐欺対策では英国の通信規制当局と協力する意向。英国ではAIで作られたとみられる偽の音声に電話口でだまされた企業幹部が、金を指定口座に振り込む事件が起きている。
バイデン大統領は10月30日にAIの開発・利用促進とリスク低減を図る大統領令を発出。偽情報の拡散対策としてAIが生成した動画や音声を識別可能にする技術や、政府公式コンテンツの認証に関する手引を作ることを盛り込んだ。今回は世界全体で偽情報への対抗力をつける必要があるとして、識別技術の国際標準化に賛同するよう各国に求めた。