日本製鉄、トヨタへの請求放棄

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共同通信
日本製鉄の電磁鋼板

 日本製鉄は2日、同社の電磁鋼板に関する特許を侵害されたとして2021年にトヨタ自動車や三井物産に損害賠償を求めた訴訟で、請求を放棄したと発表した。有力取引先を相手取って起こした異例の訴訟は、国内企業に対しては訴えを取り下げる形での幕引きとなった。中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄への訴訟は継続する。

 日本製鉄は、請求を放棄した理由について「カーボンニュートラルに向けて各国間の競争が激化する中、係争を続けることは日本の産業競争力強化にとって好ましいものではない」と説明した。トヨタ自動車も訴訟終了を公表し、「業界を超えて未来に向けた取り組みを進める」とコメントした。