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共同通信
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岸田文雄首相は3日、東南アジア歴訪のため、最初の訪問国フィリピンに向けて政府専用機で羽田空港を出発した。空港で記者団に「法の支配に基づく国際秩序維持を通じて人間の尊厳が守られる世界を目指していく。こうした連携を確認する」と述べた。午後にフィリピンのマルコス大統領と会談し、東・南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、安全保障協力の強化を図りたい考えだ。
5日にマレーシアのアンワル首相と会談し、同日夜に帰国する。
首相は羽田空港で、4日に予定するフィリピン議会での政策演説に触れ「次の時代に向けた日本の東南アジア外交の基本方針を発信する機会にしたい」と強調した。日本の首相による議会演説は初めて。
マルコス氏との会談では、自衛隊とフィリピン軍部隊の相互往来をスムーズにする「円滑化協定」の交渉入りを申し合わせる。米国を加えた3カ国の防衛協力推進も確認する。4月に創設した同志国軍を支援する枠組み「政府安全保障能力強化支援」を初適用し、フィリピン軍への沿岸監視機材供与にも合意する。