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共同通信
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北海道の知床国立公園で、観光客らがヒグマを撮影、観察しようと過度に近づくのを防ぐため、環境省は3日までに、30メートル未満の距離に近づくことを禁止した。付きまとう行為は50メートル未満でも規制対象とした。同省によると、具体的な数値基準を設けるのは全国の国立公園で初。職員の指示に従わないと自然公園法違反で30万円以下の罰金が科される可能性がある。
国立公園内の野生動物への接近や餌やりは、昨年4月施行の改正自然公園法で禁止された。だが接近などに関する具体的な基準がなかったため、直ちに法律違反に問うのは難しかった。
環境省は先月、知床国立公園の管理計画に基準を設定。公園利用者に対し、少なくとも50メートル以上離れるよう指導する。またレーザーで距離を測ったり、警察官と巡回したりして規制の実効性を高める。
環境省によると、同公園では観光客やカメラマンなどが過度に近づく事例が後を絶たないという。ヒグマは本来、近づいてこないが、繰り返し接近されて人慣れすると、危害を与える「問題個体」化して駆除される恐れもある。