京アニ事件で中間論告

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共同通信
青葉真司被告

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判第16回公判が6日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。検察側は、最大の争点となっている刑事責任能力に関する中間論告で「被告のパーソナリティーによる犯行で、完全責任能力があった」と改めて主張した。午後の弁護側の中間弁論を経て、責任能力についての審理が実質的に終了する。

 論告・弁論は通常の公判では1回だが、今回は2回行う異例の形式を採用。責任能力などの争点を慎重に審理する狙いとみられる。被告を精神鑑定した医師2人の意見が分かれる中、裁判員らは11月下旬までの非公開評議で結論を出す。

 これまでの公判で、起訴前に精神鑑定した医師は、被告は「妄想性パーソナリティー障害」だが、アイデアを盗用されたなどとする被告の妄想は事件に作用していないと説明。一方で起訴後に鑑定した医師は「重度の妄想性障害」で、妄想が犯行の動機形成に関わったと話した。