EU、ネット上の政治広告規制へ

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共同通信
ブリュッセルの欧州連合(EU)本部に掲げられた旗=2020年8月(ロイター=共同)

 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)は7日、インターネット上の政治広告の規制案で大筋合意したと発表した。巨大IT企業に対し政治広告であることを明示するよう義務付け、広告主や支払額、広告の目的について市民が情報を入手しやすくする。ロシアや中国を念頭に、域外国などがEU内の選挙に介入するのを阻止する狙い。

 規制案はEU欧州委員会が2021年11月に提示。全加盟国で構成する理事会と欧州議会が内容に大筋で合意した。双方の正式な承認を経て導入される。

 規制案では個人の関心に合わせた「ターゲティング広告」も制限し、民族や宗教などの個人情報を利用したものは禁じる。EU域外からの干渉を防ぐため、選挙や国民投票の3カ月以内に域外団体が政治広告に資金を出すことも禁止する。

 繰り返し違反したIT企業には、年間売上高の最大6%の制裁金が科される。

 欧州委は24年に予定される欧州議会選前の導入を目指していた。規制が完全に適用されるのは25年になる見込み。