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共同通信
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岸田文雄首相は、年内の衆院解散・総選挙を見送る意向を固めた。新たな経済対策の財源を裏付ける2023年度補正予算案を10日に閣議決定する予定で、成立と実行を優先させると判断した。内閣支持率が低迷する状況を踏まえ、政権立て直しを図る。政権幹部が9日、明らかにした。
官邸筋は「衆院解散よりも経済対策を優先させる」と明らかにした。衆院解散時期は、改めて年明け以降で模索する。衆院議員任期4年間は10月30日に折り返したばかりで、25年10月の任期満了まで2年近く残る。
報道各社の世論調査では内閣支持率の最低更新が続いている。9月の内閣改造で就任したばかりの山田太郎文部科学政務官が女性問題で、柿沢未途法務副大臣が公選法違反事件への関与でそれぞれ辞任。与党内に、衆院解散できる状況ではないとの声が上がっていた。
首相は2日に経済対策を閣議決定し、物価高の支援策として所得税・住民税の1人計4万円定額減税や、低所得世帯向け給付を盛り込んだ。デフレ脱却実現に向けた意欲も示している。