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共同通信
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日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告(69)の逮捕から19日で5年となった。起訴内容を否認しながらも保釈が実現し、認めないと勾留が長引く「人質司法」の改善に期待が高まったものの、その後、保釈率は向上していない。最新のデータでは、身柄を拘束された被告が起訴内容を否認している場合、初公判前の保釈は1割強にとどまることが判明。刑事弁護に詳しい弁護士は「長期拘束の問題は解決していない」と批判する。
データは最高裁の内部資料で、2021年のもの。それによると、罪状を認めていれば約26.3%が初公判前に保釈されたのに対し、否認の場合は約12.2%にとどまった。
さらに、公判前整理手続きの有無で比べた場合、手続きを実施した方が保釈率が低く、複雑な事件で否認するほど勾留が長引く現状が浮き彫りになった。
ゴーン被告は、東京地検特捜部が起訴した全ての事件を逮捕直後から否認。保釈を認めない裁判所の姿勢に海外から批判が集まり、日本の刑事司法制度の問題点が議論されるようになったが、被告の逃亡で機運はしぼんだ。