ユダヤ人標的のヘイトクライム急増
地下鉄内、理不尽な犯罪相次ぐ
ニューヨークの地下鉄内でユダヤ人を標的としたヘイトクライム(憎悪犯罪)が急増している。憎悪犯罪以外でも理不尽な凶悪犯罪が相次ぐ。地下鉄内の体感治安は改善しておらず注意が必要だ。
市警(NYPD)およびMTAによるとそうした犯罪は10月〜11月5日に9件発生。年初〜9月末の発生件数と同じだった。ただ、10月に地下鉄内で発生した憎悪犯罪15件のうち、3分の2がユダヤ人を標的としていた。イスラム教徒を標的としたのは2件だった。
「ハマスとイスラエルの軍事衝突を口実に、無実なユダヤ人を攻撃している」と非難するのはユダヤ人慈善団体「メット・カウンセル」のデイビッド・グリーンフィールド会長。「報復を恐れて、報告しないことも多い」と指摘している。
市交通局のリチャード・デイビー局長は「いかなるヘイトクライムも見過ごすわけにはいかない」と宣言。「NYPDと協力して犯人の早期逮捕を実現したい」と続けた。NYPDは最近、42丁目・レキシントンアベニュー駅で29歳の女性を「ユダヤ人だから」という理由で殴打した容疑で男を逮捕した。
一方で統計上は、地下鉄内犯罪は減少している。総数は今年これまでに、昨年同時期比3.9%減。殺人は44%減っている。しかし、男が居合わせた女性を走行する地下鉄車両に押し付けて重傷を負わせるなど、理不尽な犯罪は増えている。(28日、ニューヨークポスト)
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