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共同通信
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【オスロ共同】壇上に飾られたイランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)の肖像写真はヘジャブ(スカーフ)で髪を隠さず、笑顔で前を見つめている。桃色のカーディガンを羽織り、手には赤のマニキュア。自身で選んだその写真が放つ明るさからは抑圧に負けない強い意志がにじんでいた。
10日にノルウェー・オスロの市庁舎で開かれたノーベル平和賞の授賞式。刑務所に収監され、出席がかなわなかったモハンマディさんに代わり、双子の子どもが受賞のメッセージを読み上げた。
最初に登壇したのは娘のキアナさん(17)。モハンマディさんのような真っすぐな瞳を参列者に向け「母がここにいてほしかった」と始め「私は抑圧や差別に立ち向かったイラン人女性の一人」と語りかけた。途中で引き継いだ息子のアリさん(17)は「世界が(イランで起きていることの)目撃者だ」と時折自分の言葉を付け足しながら、母の思いを伝えた。