宝塚に労基監督署が是正勧告4回

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共同通信
所属する女性俳優が急死した問題で揺れる宝塚歌劇団

 今年9月に所属する女性俳優(25)が急死した宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)が2000年以降、割増賃金の不払いや労務管理の不備があったとして労働基準監督署から計4回の是正勧告を受けていたことが23日、関係者への取材で分かった。過去10年間で労働災害が90人規模で発生していたことも判明。働き方改革が社会的な課題となる中、親会社の阪急阪神ホールディングスは環境改善に向けた対策が急務となりそうだ。

 急死した俳優の遺族側弁護士は、上級生らによるパワハラや長時間労働が原因で自殺したと主張。西宮労基署(兵庫県西宮市)は労働実態を把握するため、11月22日に歌劇団への立ち入り調査を実施。今月6日にも調査に入り、法令違反がなかったかどうか確認している。

 歌劇団は21年9月、裁量労働制で働いている一部スタッフの実労働時間を適切に把握していなかったほか、演出助手の休日割増賃金の不払いで是正勧告を受けていた。また13年4月は時間外労働の支払い、05年10月が労働条件の通知関連、00年5月に労働時間で是正勧告を受けた。