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共同通信
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ロシアが実効支配する北方領土で津波の痕跡を調べる日本側の調査が2024年以降、再開の見込みがないことが23日、関係者への取材で分かった。ウクライナ侵攻を巡る日ロ関係の悪化による中断が続くため。北方領土など千島海溝沿いはマグニチュード(M)9級の超巨大地震とその津波に繰り返し襲われたと考えられているが、調査の中断で北海道本島にも影響する超巨大地震の実態解明が遅れており、専門家は「周辺住民の命に関わる深刻な問題だ」と指摘している。
国後島や色丹島で、過去の津波が運んだ地下の砂などを調べてきた西村裕一北海道大准教授(古地震学)によると、調査を行う場合、前年の冬ごろに滞在スケジュール案が関係省庁から示されて研究チームの態勢づくりを進めるが、こうした動きは一切ない。
政府の地震調査委員会は17年、道東沖での超巨大地震について「切迫している可能性が高い。今後30年以内の発生確率は7~40%」との予測(長期評価)を公表。「過去の震源域の評価が不十分で、地震発生確率に幅がある」と調査の必要性を指摘した。