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共同通信
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宮城県沖の水深約7500mの日本海溝で、東日本大震災の地震で断層がずれてできたとみられる高さ約26mの崖を見つけたと、新潟大などの研究チームが26日付の英科学誌に発表した。地形の解析から、海底の断層が80~120mずれたと推定されるとしている。
チームによると、東日本大震災の震源域に現れた断層崖を海底で発見したのは初めて。この海域ではこれまで船舶による音波を使った地形の探査などが行われ、断層は50m以上ずれ動いたとみられてきた。海洋研究開発機構は17年、海底断層のずれが最大で約65mとの解析結果をまとめていた。
チームは22年9月、水深1万1千mまで潜航できる有人潜水艇を使い、現地の地形や地質を調べた。
その結果、地震で隆起した地形の東の縁に、落差26mの垂直に近い崖があるのを見つけた。崖下の斜面に崖から崩落したとみられる大量の岩塊があった。ずれた地盤の先端が急激に持ち上げられて断層沿いに崩落したことによって、断層崖ができたと推定されるとしている。26mは7~8階建てのビルに相当する。