「1円スマホ」など規制強化

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共同通信
大手家電量販店のスマートフォン売り場。大幅値引きの規制が始まった=27日、東京都渋谷区

 「1円スマホ」に代表されるスマートフォンの大幅値引きを規制する総務省令が27日、施行された。割引上限を原則4万4千円までとする。人気の高額端末を1円で売るなどの極端な割引を防ぎ、通信料の高止まりや端末の転売に歯止めをかけるのが狙い。ただ規制を巧妙に回避して「月額1円」のプランを存続させる“抜け穴”もあり、安値競争は続きそうだ。

 これまで通信回線と端末をセットで販売する場合、割引上限は2万2千円だったが、これとは別に端末本体の価格を値引きすることには規制がなく、1円での販売が横行していた。例えば10万円の端末の場合、端末価格を7万7999円値引きし、セット割引の上限の2万2千円と合わせて1円で売ることができた。

 しかし、過度な割引は通信料の高止まりの原因とされ、公正取引委員会は独禁法上の不当廉売に当たる恐れがあると指摘。安く端末を仕入れて転売する「転売ヤー」の温床とも指摘されていた。

 このため新制度では、セット販売の割引上限を原則4万4千円(端末価格が8万8千円超の場合)に引き上げる。