中2生失踪前「私はいない方が」

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共同通信
広瀬爽彩さんについて取材に応じる知人男性=14日

 北海道旭川市で21年、いじめを受けた中学2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が凍死した問題で、広瀬さんが失踪する前日ごろ、知人男性に「集団の前で性的行為を強要された」「私はいない方が良かった」と打ち明けていたことが29日、知人の証言で分かった。

 当初調査に当たった第三者委員会は、先輩らが自慰行為を要求したことなどをいじめと認定したが「亡くなる直前の様子が分からない」などの理由で、自死との因果関係は不明とした。男性は第三者委の調査対象とはなっていなかったが、遺族側弁護団は近く再調査委員会に調書を提出する方針で、検証が進展する可能性がある。

 男性は関東在住の30代。20年末ごろ、音声交流サイトの4、5人のグループで広瀬さんと知り合い、週に何度も話すようになった。

 失踪は21年2月13日。その前日ごろ「勉強を教えてほしい」と頼まれ、2人で通話を始めた。雑談で広瀬さんは先輩から受けた行為を初めて語った。性的な動画を送るよう要求されたことを指すとみられる「児童ポルノのようなこともあった」とも告白した。