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共同通信
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日没後の暗い滑走路に降り立った機体は、乗客を乗せたまま、炎を上げた。2日、羽田空港で起きた日航機の火災。着陸後の機内には煙や熱気が広がり、「早く出して」と叫び声が上がった。炎は一気に機体を包んでいき、乗客は脱出シューターを使って命からがら機外へ。逃れた一人は「安堵して号泣した」と緊迫の脱出を振り返った。
事故があったのは午後6時前。当初は機体後部の客室内に激しく火が上がる様子が窓の外側から確認できた。火の手はみるみる広がり、30分もたたないうちに機体全体に回った。「JAPAN AIRLINES」のロゴは見えなくなり、窓やドアからは爆発するように炎が噴き出した。
「着陸した時に、いきなりボンと何かにぶつかったような、突き上げるような感じがした」と話したのは、窓際に乗っていた東京都内の女性(35)。逃れた後のターミナルで「窓から火花が見え、かがんで鼻と口をふさぐように指示を受けた。燃え出してからもなかなか出られず、脱出まで5分以上あったように感じた」と時折声を震わせていた。