焦げた機体、利用客不安げ

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共同通信
焼け焦げた日航機=3日午前8時11分、羽田空港(共同通信社ヘリから)

 黒く焦げ、原形をとどめないほど損傷した機体が滑走路脇に残されていた。日航機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故から一夜明けた3日の羽田空港。「もし自分が乗っていたら…」。現場を見た利用客らは不安げな表情を浮かべ、乗客に死者が出なかったことに驚きの声を上げた。年始の混雑の中、出発ロビーでは欠航便の払い戻しや振り替えのため長い列ができた。

 事故機が見えるターミナルの展望デッキでは、旅行かばんを手にした人らが設置された望遠鏡で眺めたり、スマートフォンのカメラを向けたりしていた。

 愛媛県四国中央市から家族6人で旅行に訪れた建築業の男性(48)は、帰りに乗る予定だった2日の高松行き便が欠航。空港内で一晩を過ごし、振り替え便の搭乗券を求めて出発ロビーに並んでいた。「早く帰ってゆっくりしたい」と疲れた様子だった。

 国際線でブラジルに出発する夫を見送りに来た東京都品川区の主婦(62)は「地震に続いての事故で正月気分が吹っ飛んだ」と声を落とした。