停電、余震で新たに発生も

Published by
共同通信
石川県穴水町の停電したドラッグストアで、商品棚をスマートフォンのライトで照らしながら買い物をする客=3日午後2時36分

 能登半島地震により、石川県内では3日も3万戸超が停電するなど生活インフラへの影響が続いた。余震で新たに停電した箇所があったほか、郵便も大幅な遅れが継続し、復旧に時間を要している。県内の余震や断水の状況を踏まえ、4日に予定していた年明けの事業開始の延期を決めた企業もあり、経済活動への支障も出ている。

 経済産業省によると、3日午前7時時点で北陸電力管内の石川県で約3万5千戸が停電した。配電設備の損傷が原因といい、その後やや復旧して午後3時時点では約3万3千戸となったが、省内で記者会見した斎藤健経産相は「地面の状況が悪いこともあり、今の時点で(本格的な復旧の)見通しを申し上げることは難しい」と話した。東北電力管内の新潟県内は停電が解消した。

 ガソリンスタンドは新潟、富山、石川、福井4県の計68カ所で給油や配送ができず営業を停止。日本郵便の配達は2日に続いて石川県北部地域などで大幅な遅れが出た。コンビニ各社では店舗の営業再開が進んでいるものの、セブン―イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートでは3日も石川県や富山県の一部店舗が休業した。

 一方、リコー傘下のスキャナー大手PFU(石川県かほく市)は3日、本社や県内の工場で4~5日を臨時休業にすると明らかにした。新年の事業開始は9日以降にずれ込む見通しだ。

 東芝は石川県能美市にあるパワー半導体工場の操業を停止し、被害状況の確認を進めた。操業の再開時期は決まっていない。パワー半導体は自動車や家電製品などの生産に欠かせず、生産停止が長引けば経済活動への影響が懸念される。