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共同通信
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羽田空港の滑走路で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、着陸機が接近する滑走路に別の機体が進入した場合、注意喚起をする機能が管制塔に備えられていたことが5日、国土交通省への取材で分かった。海保機の進入を検知していれば、管制官が使う表示装置の画面上で滑走路全体が黄色に点滅し、航空機が赤色で表示されていた可能性がある。
管制官は衝突まで海保機が滑走路上にいることに気付いていなかったとみられており、運輸安全委員会や警視庁が詳しい経緯を調べる。
国交省によると、07年9~11月、大阪、関西、中部の空港で航空機が滑走路に誤進入する事案が相次いで発生。対策検討会議で議論し、08年3月の取りまとめで管制官の人的ミスを防ぐためのバックアップとして「滑走路占有監視支援機能」の整備を進めることが盛り込まれた。
羽田では4本の滑走路全てで11年3月までに運用を始めた。
国交省は「事故当時、実際に海保機の位置が特定され、注意喚起表示が出ていたかどうかは事故調査で明らかにされることになる」と説明している。