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共同通信
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羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、着陸機が接近する滑走路に別の機体が進入した場合、管制官に画面上で注意喚起する「滑走路占有監視支援機能」が事故当時、正常に作動していたことが分かった。国土交通省が5日、明らかにした。海保機は滑走路への進入後、約40秒間停止していたとみられ、管制官が注意喚起表示を見落としていた可能性が出てきた。
国交省は管制官が海保機に進入を許可していなかったと説明。日航機のパイロットも「海保機は視認できなかった」としており、事故の背景にヒューマンエラーを含む複数の要因が重なっていた疑いが浮上した。
国交省の担当者は「管制官が見ていたのかどうか不明だが、画面を常時凝視するルールにはなっていない」としている。
国交省によると、支援機能は、誤進入を検知すると管制官が使う表示装置の画面上で滑走路全体が黄色に点滅し、航空機の表示が赤色に変わる。2007年に国内で誤進入が相次いだことを受けて整備が決まり、羽田の滑走路4本全てで11年3月までに運用を始めた。