地震の死者94人、下敷き百件か

Published by
共同通信
倒壊した建物から犠牲者を運び出し、手を合わせる消防隊員ら=5日午前10時54分、石川県珠洲市宝立町

 石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、同県輪島市の坂口茂市長は5日、救助通報の内容などから、建物倒壊により人が下敷きになったとの情報が100件ほどに上るとの見方を示した。石川県は5日午後2時現在の死者は94人、連絡が取れない安否不明者は222人と公表。ほかに珠洲市で津波により1人が行方不明になっている。被害はさらに拡大する恐れがある。

 発生5日目となったが被害の全容はいまだ見えず、陸路や通信の寸断による救助の遅れは深刻。甚大な被害となった輪島市と珠洲市を中心に、自衛隊や警察が安否確認や捜索を急いでいる。

 死者は自治体別に輪島市55人、珠洲市23人、穴水町6人、七尾市5人、志賀町2人、能登町2人、羽咋市1人。穴水町によると、隣接する住宅2棟が土砂崩れに巻き込まれ、帰省していた子どもら11人と連絡が取れなくなっている。

 石川県内では5日午後現在で、3万人以上が避難。約2万7千戸近くが停電し、断水も約6万6千戸。支援物資は十分に届いておらず、トイレなど衛生面での懸念も出てきている。