岸田「海外バラマキ」に国民の怒り爆発!
戦略ゼロの外交で失われる未来 (上)
(この記事の初出は2023年12月5日)
「COP28」に出席するためUAEのドバイに行った岸田文雄首相は、エジプトに2億3000万ドル(約345億円)、ヨルダンに1億ドル(約150億円)とポンポンと財政支援を表明。このあまりの気前のよさに、インフレで生活苦にあえぐ国民の怒りが爆発した。
いったい、この国の上層部はどんな時代を生きているのか? 彼らの「化石アタマ」のおかげで、この国はますます衰退し、未来は限りなく失われる。
(*本稿では1ドル=150円で換算しています)
岸田「バラマキ外交」に国民の怒り爆発!
支持率が20%台に低迷しているというのに、岸田文雄首相は11月に入るやいなや、「COP28」に参加するため、UAEのドバイに出かけていった。
そこで、1日にエジプトのシシ大統領と会談し、ポンと最大で2億3000万ドル(約345億円)の財政支援を表明した。「イスラエルーハマス戦争」により、観光客の減少などで大きな影響を受けているエジプトを助けるためだという。
続いて2日に、今度はヨルダンのアブドラ国王と会談し、約1億ドル(約150億円)の財政支援を約束した。ガザ情勢の影響で厳しい財政状況を助けるためだという。
この2つの「支援」=「バラマキ」が報道されると、ネットでは激しい批判の声が湧き起こった。それを伝えた「東京中日スポーツ」の記事(11月2日)のタイトルは、こうなっていた。
《岸田首相の『バラマキ外交』にネット民の怒り爆発「国民無視の外面メガネ」「大国ぶって外遊でカネを配る」》
なんと、「増税メガネ」が「外面メガネ」になってしまっていた。この記事ばかりではない。時事通信や共同通信の記事が「Yahoo」で配信されると、そこ(ヤフコメ)には、「怒りのコメント」が、続々と寄せられた。
大国ぶって外遊でカネを配る勘違い老人
最近の「ヤフコメ」は、多くの国民の声を反映している。「ネット民」などと新聞は偉そうに言うが、そんな人々などいるはずがなく、ネットに書き込みをしているのは、一部をのぞいてごくふつうの一般国民だ。
それを思うと、今回の国民の怒りは本当に激しく、切実である。以下、それをいくつか紹介してみたい。
《もはや1人当たりGDが中進国でしかない日本が、大国ぶって外遊でカネを配る。どうしようもない勘違い老人がリーダーであることの残念さと言ったらありません》
《今回のCOP28もバイデン大統領は欠席なのに、岸田総理自ら出席する必要あったんですか?》
《340億円は丁度今”夢洲”で造っている世界一高価な「使い捨て日傘」とほぼ同じくらいなので、感覚的には日傘一本バラばらまくくらいの認識なのだろうが、そのツケは今後消費税15%等の大増税で確実に国民に払わせるつもりなのだろう。もはや「増税メガネ」から「吸血メガネ」にレベルアップしようとしている》
《その340億あったら、中小企業で苦しんでいるところに融資でいいので貸してくれないかな。1千万でも、3400企業に融資できます。新開発技術があって融資で回っても、担保がなく、「いいですね」で終わり》
《自民党政権って、税金を自分のATMみたいに使うよね》
《国会でロクに審議もしないで数百億円をポンと出すって何?》 《海外に支援する気持ちで、自国の少子化対策になぜ、取り組めないのかが分からない。自国民にはとことん冷たい》
(つづく)
この続きは1月8日(月)発行の本紙(メルマガ・アプリ・ウェブサイト)に掲載します。
※本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。
山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。