海保の複数乗員が管制指示誤認か

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共同通信
格納庫に収容された日航機=7日午後0時10分、羽田空港(共同通信社ヘリから)

 羽田空港C滑走路で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、海保機の複数の乗員が管制官の指示を聞いていたのに、許可なく滑走路へ進入した可能性があることが7日、海保関係者への取材で分かった。交信記録では管制官が滑走路手前までの移動を指示しており、進入許可はなかった。通常の運用では機長以外も指示を聞いて確認し合うことから複数の乗員が誤認した疑いが出てきた。運輸安全委員会や警視庁が詳しく調べる。

 C滑走路では7日、日航機の撤去作業が続いた。8日中に運用を再開する見通し。安全委は7日も管制官への聞き取りを実施した。

 海保関係者によると、乗員は原則的にマイク付きのヘッドホンを装着して管制官とのやりとりや復唱を聞いており、機長は他の乗員に内容を確認することになっている。今回のケースもその可能性が高い。

 国土交通省が公表した交信記録では、日航機に着陸許可が出た直後に海保機が交信を始め、管制官からC滑走路手前の停止位置まで地上走行するよう指示を受けていた。海保機側も指示を復唱したが、実際は滑走路内に進入した。

羽田空港のC滑走路=7日午前11時22分(共同通信社ヘリから)