「トランプが勝つと思う」と政治学者
米国内分断が世界にとってリスク

世界にとってのトップ10のリスクを毎年発表する国際政治学者イアン・ブレマー氏は8日記者会見で、2024年米大統領選挙について「
トランプ氏が勝つと思う。彼が現在候補者であること自体が、アメリカの民主主義がうまく機能していないという危機の表れだ」と警鐘を鳴らした。
ブレマー氏が社長のコンサルティング会社ユーラシア・グループは毎年初、「トップ10グローバル・リスク」を発表。世界の企業経営者や政治家が注目している。
今年のリスクトップは「アメリカの敵はアメリカ」として、国内の分断が深まり、「大統領選挙は、政治的劣化を悪化させ、過去150年間経験したことがないほど米民主主義を試練にさらし脅かすことになる」と予測した。それによって、米国に対する世界の信頼性を揺るがすとしている。
さらにブレマー氏は質疑応答で、大統領選挙で「トランプ氏が勝つと思う」と言及。そもそも「自由で公正な選挙と、政権の移行を覆そうとし、遵守しようと思わない人物が、選挙戦に出ていること」が、米民主主義を弱体化させ、分断化し、危機に陥らせていると指摘した。米国は世界最大の経済大国、軍事大国であり、市民は米民主主義の弱体化は起きていないと思うかもしれないが、「これは真実だ」とブレマー氏。それを常態化させ、目を背けてはいけないと強調した。
また、民主党候補となるバイデン大統領が勝つためには、オバマ元大統領がもっと選挙戦にコミットするべきだとした。オバマ氏は現在、選挙にあまり関わっていないことは「深刻な問題」だという。元大統領という社会的な地位があり、カリスマ性もあるため、バイデン氏の勝利のために参加するべきだという。バイデン氏は「民主主義を守る」ことを公約のトップにしており、その戦略は間違っていないが、オバマ氏の関与が必要だとブレマー氏は指摘した。
トップ10リスクの2位以下は次のとおり。中東問題、ウクライナ分割、AIのガバナンス欠如、(ロシア、北朝鮮、イランなど)ならずもの国家の枢軸、回復しない中国、重要鉱物の争奪戦、インフレによる経済的逆風、エルニーニョ再来、分断化が進む米国でビジネス展開するリスク。
トップ10リスクの日本語プレスリリース
(津山恵子)

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