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共同通信
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羽田空港で海上保安庁と日航の航空機が衝突した事故で、管制官が日航機の後に続く着陸機に「出発機あり」と伝えて減速を指示した交信内容を、海保機のパイロットが聞いていた可能性があることが10日、関係者への取材で分かった。「出発機」は海保機を指すとみられ、能登半島地震の災害支援に向かおうとしていた海保機が日航機の存在に気付かず優先的に離陸できると誤認した恐れがあり、運輸安全委員会などが経緯を調べる。
交信記録では、管制官は日航機に着陸許可を与えた直後の2日午後5時45分から海保機とやりとりを始めた。海保機に離陸順が最優先であることを示す「ナンバー1」と伝え、C滑走路手前の停止位置まで地上走行するよう指示した。その後、日航機の後に着陸する航空機に「出発機あり。減速してください」と呼びかけた。
関係者によると、海保機は羽田航空基地の格納庫を午後4時45分ごろ出発する計画だった。
航空関係者からは、時間に追われるあまり正常な判断ができず行動する「ハリーアップ症候群」の影響を指摘する声も出ている。