避難所生活、食中毒拡大に注意

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共同通信
避難所で暖を取る被災者たち=8日、石川県穴水町

 災害時の避難所生活は、乳幼児や高齢者など多くの人が近接して過ごす状況になり、食中毒が発生した場合に健康被害が拡大する恐れがある。厚生労働省は11日までに、予防や周知を要請する事務連絡を被災自治体に出した。冬はノロウイルスによる食中毒が目立つため「トイレ後や調理前の手洗い、調理器具の消毒などを徹底してほしい」と呼びかけている。

 厚労省の食中毒統計調査で、原因物質別の年間患者数がほぼ毎年最多なのがノロウイルスだ。事例の約半数が11~2月に発生している。感染力が強く、吐き気や下痢、発熱といった症状が出て、子どもや高齢者は重症化することもある。感染者の嘔吐物やふん便からの二次感染、集団感染に注意しなければならない。

 丁寧な手洗いで手指についたウイルスを落とすことが有効な対策になる。指先や爪の間、手首、手の甲まで2回洗うことが望ましい。調理器具は洗剤などで洗い、85度以上の熱湯で加熱消毒する。調理する人の健康管理も大切で、体調を毎日、責任者に報告するほか、症状があるときは食品を扱わないようにする。