遺族「国は本気で再発防止を」

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共同通信
西原季輝さん(遺族提供)

 2016年1月に長野県軽井沢町で15人が死亡、26人が重軽傷を負ったスキーバス転落事故で、犠牲になった西原季輝さん=当時(21)、法政大3年=の母親が発生から8年を前にした13日、「悲しい事故が二度と起きないよう、国には再発防止に本気で取り組んでほしい」などと記した手記を報道各社に公開した。

 23年6月、長野地裁はバス運行会社社長高橋美作被告(62)に禁錮3年、当時の運行管理者荒井強被告(55)に禁錮4年の実刑判決を言い渡したが、2人は控訴した。母親は「いまだに自分たちの責任を認めない姿勢には本当に腹が立つ」と感情を吐露した。

 一方で「被告たちの刑事責任が認められても、次男が帰ってくることはないし、事故がなくなることもない」とつづり「生きていてほしかった。あのバスさえなければとの思いはずっと消えない」と心情を明かした。

 また「次の犠牲者を生み出さないことは国の責務でないか。正すべきところを見極めてほしい」と強く訴えた。

 事故では大学生13人と運転手2人が死亡、26人が重軽傷を負った。