Published by
共同通信
共同通信
「落ち着いた生活を」「体に気を付けてな」。17日午前、能登半島地震で被害が大きかった石川県輪島市では、希望と不安を抱えた親子が別れを惜しんだ。元日に被災し、静かな日常を奪われた中学生たちは、集団避難のため同県白山市の宿泊研修施設へ旅立った。インフラ復旧や学校の再開が見通せぬ中、故郷を離れる子どもが乗ったバスを保護者らは心配そうに見送った。
集合場所の一つとなった道の駅には、大きな荷物を持った市立輪島中の生徒らが集まり、施設へ向かうバスに次々と乗り込んだ。見送りにきた保護者の中には、被災後初めて会い互いの無事を確認してほっとする様子も見られた。
3年の新谷昇さん(15)は「地震で家の中はぐちゃぐちゃになった。避難所では受験勉強に集中できない。避難先では友達にも会えるので楽しみ」と施設での新しい生活に期待を抱いていた。車で送ってきた会社員の父昌嗣さん(41)は「避難所にいても先が見えない。受験生なのでこの先どうなるか。まだまだ子どもなので」と少し心配そうに話した。