芥川賞に九段理江さん

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共同通信
九段理江さん

 第170回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は九段理江さん(33)の「東京都同情塔」(「新潮」12月号)に決まった。直木賞は選考が続いた。

 九段さんは1990年さいたま市生まれ。

 受賞作は、五輪開催後のもう一つの東京が舞台。犯罪者が「同情されるべき人々」と呼ばれる世界で、新しい刑務所となる高層タワーを設計する建築家らの言葉と実相のせめぎあいを描く。

 芥川賞選考委員の吉田修一さんは「完成度の高さ」で支持を集めたと説明。「いろいろな要素が九段さんの世界のリアルを支えており、エンターテインメント性も高い」と述べた。