麻生派、解散見送りへ

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共同通信
自民党の麻生太郎副総裁

 自民党の麻生太郎副総裁は、自身が率いる麻生派(志公会)の解散を見送る意向を固めた。派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて岸田派解散を決めた岸田文雄首相に既に伝達した。関係者が20日明らかにした。これまでに安倍、二階、岸田3派が解散を決めており、第2派閥の麻生派、茂木敏充幹事長が率いる第3派閥の茂木派(平成研究会)の動向が焦点になっている。茂木派と、最小派閥の森山派(近未来政治研究会)は情勢を注視する構えだ。

 東京地検特捜部は政治資金規正法違反の罪で19日に安倍、二階、岸田3派の関係者を立件した。

 麻生氏は、首相が岸田派解散意向を表明した18日夜以降、電話を含め首相と複数回会談。岸田派の解散について説明を受け「志公会の政治資金は口座管理など適正に処理してきた。うちは派閥をやめない」と伝えた。首相も了承したという。

 首相が本部長を務める党の政治刷新本部は、党改革中間報告で派閥の「解消」に言及する方向で調整している。派閥を維持する場合は「カネとポスト」の機能をそぐ形とするよう検討している。

 茂木氏は19日、記者団に「中間報告も念頭に、グループの仲間とよく相談したい」と言及した。派閥解散の流れに反発する声が派内にあり、状況を見極めたい考えだ。

首相官邸に入る岸田首相=20日午後