被災地タクシー台数、3割減へ

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共同通信
地震で後部ガラスが割れたタクシーとスズ交通の白木憲一さん=17日、石川県珠洲市

 能登半島地震で被害の大きかった石川県の輪島市、珠洲市、能登町で運行するタクシー業者のうち、2社が営業再開のめどが立たず廃業の見通しとなったことが23日、県タクシー協会への取材で分かった。3市町で車両登録がある約50台のうち3割が減少する見込み。別の業者が同調する可能性もあり、地域の交通網や住民への影響が懸念される。

 タクシー協会が所属業者に聞き取り調査を実施し、計2社から廃業との回答を受けた。北陸信越運輸局石川運輸支局によると、別の業者1社も休業を申し出た。タクシー協会によると、震災前に稼働していた計10社のうち、営業を再開できたのは数社にとどまる。

 「避難所から病院まで送ってほしい」。スズ交通(珠洲市)は連日電話が鳴る。保有する一部の車両が津波で流失する被害に遭い、稼働できる数台で何とか回している。経営から運転まで携わっている白木憲一さん(70)は「タクシーは地域の足だ。絶対にやめられない」と力を込める。市内の別の業者は車庫が倒壊して運行が困難に。市営バスも全てのルートで運休中だ。