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共同通信
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千葉県野田市で2019年に小学4年の栗原心愛さん=当時(10)=が親の虐待を受け死亡した事件から、24日で5年となった。市では再発防止を目指す条例が元日に施行。県は、計画する児童相談所の増設や機能強化に必要な職員数を確保しきれずにいる。子どもの命を守るための行政の体制整備は、道半ばだ。
心愛さんは17年11月、学校のアンケートで虐待被害を訴え、児相に一時保護されたが、翌月に解除された。19年1月24日、父親の暴行で命を落とした。
市の虐待防止条例は、虐待が疑われる事案を速やかに市や児相へ知らせるよう市民に義務付けた。市の担当職員は知らせを受けた当日中に子どもの安全を確保するのを原則とし、48時間以内に状況を確認できなければ児相へ援助を求めるよう定めた。
早期対応を担うのは、事件後に人員配置を見直して新設した市子ども家庭総合支援課。市教育委員会で課員の一部を勤務させるなどし、情報共有にも力を入れる。担当者は「たゆまぬ努力を続けたい」と話す。